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やべ、考えれば考えるほど、悲しくなるわ
「やっぱり風呂場行ってくる。」
半分魂が抜けた義彦はふらつきながら、風呂場に向かってあるきだす。
「あっ、わっ私も行くよ。」
その後を追って遥もいなくなる
二人が消えた。
「ねぇ、母ちゃん。」
「んあ?」
ハルが茶碗の上に箸を置く。
「遥姉ちゃんが可哀想だね。兄ちゃんは俺らの家系だから、時間はかかるけど自分の立場を受け入れると思うけどさ」
「んあー。そうね、遥ちゃん義彦のこと大好きだからねぇ……義彦、気づいてなかったみたいだけど、遥ちゃんものすごく辛そうだった」
火を点けてないタバコを器用に指先でくるくる回す
「遥ちゃんの恋路がこれで終わるわけないさ……あの娘は絶対諦めない。私もハルも母さんも信じられない事態なのはわかっているけど、アレは紛れもなく義彦だ。」
二人は重久に頷いた。
十分後
部屋に入ってきたのは遥ただ1人。後ろにも義彦は確認できない。
「ヨシ。ダメでした」
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