Round and Round

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「゙テッちゃん、テツ、テッちゃん、待っで  って、何度も何度も  俺の名前を呼んで来たんや…」 缶コーヒーを持つ手が 死にそうなくらい震えた 寒いからだと思い込ませ 必死に 震えを制御しようとする そうしないと あの恐怖に 身体を持って行かれそうな、 そんな気がした。 ゙テッちゃん テッちゃっ………゙   軽く致死量を達したと思われる赤は 異臭を漂わせ彼を囲う様に広がりを見せる ゙ハ……イ……ド………?゙ やっと動き始めた脳は 喉の奥から彼の名を呼び出す 共に 蘇る 右手の衝動。 「……へえ」 隣に座っている旧友は 煙草の煙を吐き出しながら口開き、 「最後までアイツの中でお前は     ・・   親しい 友達 やったんやな」   冷たい言葉を伝える。  
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