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「……茜、好きよ。……だから、もう二度と居なくなるな……。」
グッと腕に力を込めて、茜を離さないように、絶対に離れないように抱き締めた。
「……フェイタ……ン……ッ!」
驚いたような茜の声が聞こえて、だけど茜はワタシを強く抱き締めると言った。
「あたしも、フェイタンの事大、好きだよ……!もう何処にも、行かないから……ッ!!」
茜はそう言ってくれて。
漸く心にポカリと空いていたような隙間が
埋またような安堵感がワタシの心を埋めた。
もう離さない。
何処にも行かせない。
茜は、ワタシのモノね。
気付けばワタシは、自然と茜の唇と自分の唇を重ねていた。
茜は戸惑いつつもそれを受け止めていて。
それにクスリとワタシは微笑んだ。
「フェイタン、ただいま……ッ!!」
涙を流しつつも、ワタシにそう微笑んだ茜に、ワタシも微笑んで返した。
「……あぁ、おかえり――……。」
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