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  春の少し肌寒い朝に、始まりの音が鳴り響く。 ジリリリリリリンッと雰囲気をぶち壊す騒音が室内に鳴り響き、 睡魔と必死に戦いつつも目覚まし時計のスイッチをバシッと思い切り叩く。 そして体を起こし、ぐーっと背伸びをして私は睡魔との闘いに勝利を刻んだ。 今日も一日の始まり。 「・・・・・・・よしっ。」 自分に気合を入れるようにそう呟く。 早く着替えて出掛けなくては。 待たせるとまた茜が五月蝿いだろう。 そう考え付き、私はチャッチャッと着替え、洗面所に向かい顔を洗い流す。 冷たいその水は睡魔に止めを指すように私の眠気を吹き飛ばしてくれた。 塗れた顔をタオルで拭き、使い終わったそれを無造作に洗濯籠に投げ入れると私は叫ぶ。 「母さん、牛乳とパン頂戴ー!」 「はいはーい!」 パタパタと台所の方でスリッパの足音が聞こえ、私も同じ音を連れて台所に立ち寄った。 それと同時に母さんは牛乳の入ったパックと食パンを差し出してくれ、 私はそれを受け取ってそのまま食べる。 「ありがと。んじゃ、行って来まーす!」 母は微笑んで手を振り、私はそう言い残すと部屋に戻って鞄を取り、家を出た。  
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