ランニング

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  ピクッ   (ん…足音が…)    馴染みのある足音…。    馴染みのある匂い…。   「…んんっ…(ボーッ)あ…おっはよぉん!!」    馴染みの顔…。    一年前から始まった、この空間。   《勝手に死ぬなよ?俺が、ずっと一緒にいてやるからっ》    俺はきっと、こいつが必要だったんだ。   『ほれ…、風邪…引くなよ』   「よっと、サンキュー。風邪なんか、ひくかよ。んっんっんっんっ―――ぷはぁ、美味いっ!!やっぱさぁ、牛乳最高!!」    一年前、初めて会った日…初めてじゃ、ないような気がした。   「…最近、体調良さげじゃん。」    苦しそうで、辛そうで…今にも、逝っちまいそうな顔…。   『うん…何か、調子良いよ…。』    心が騒いでた、こいつを助けたいって…。   『なる…。来月…、手術受けるよ…。』   「そっか。」    手術…難しいけど、助かる確率は大きい。    受けるって事は、生きるって事。    俺達は、生きて行くんだ。        おわり
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