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「んん―っはぁ、良い天気だ。」
晴れた空、この澄んだ空気がたまらない。
俺がこの町に来たのは、一年前。
『おはよぅ。今日も、良い天気だねぃ』
右も左も解らないなか、町の人達は優しかった。
「おばあちゃん、おはよう。」
俺は毎日のように、散歩がてらあの丘へ、行くようになった。
(今日も、走ってんだろうな)
行き交う町の人たち、毎日変わらぬ風景。
『おはようさんっ。はいっ、まいど。翠よぉ今日も、ボーズんとこかい?』
「あぁ…うん。もう、日課みたい。」
丘のすぐ下にある、店。
(お…良い風だ…)
丘の上から、吹き降りてくる風…。
一歩そしてまた一歩と、歩いてあがる。
『…んんっ…(ボーッ)あ…おっはよぉん!!』
俺に気付いたなるは、清々しい笑顔て、言葉を繰り出す。
「ほれ…、風邪…引くなよ」
『よっと、サンキュー。風邪なんか、ひくかよ。んっんっんっんっ―――ぷはぁ、美味いっ!!やっぱさぁ、牛乳最高だよねぇ』
少年のあどけなさが残る、なるの仕草。
この丘で、毎日なるに会えるのが、何よりも嬉しい。
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