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掴まれた手首はいつの間にか、手のひらに移動していて、大きな手にスッポリとウチの手が納まっている。
繋いだ手から感じる温もりは、ウチの体全部を包み、優しさを注入してくれているみたいに、癒されていく。
「甘いもんでも食いに行くか?」
ニッコリ笑って話しかけてくれるコウさんに、ウチも小さな笑顔を向ける。
コウさんは何も言わず、ただずっと手を繋いで歩いてくれていた。
ウチにとって、それだけで十分なほどに心が和まされていた。
「ここ俺のお薦めやねん。」
「コウさんって甘いもの食べるん?」
茶色を基調にしながらも、壁は白く明るいお店。
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