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木々の間から時々見える街の光が、キラキラ輝いていて宝石箱を開けたみたいな感じで、ウチは外の風景に見とれていた。
「着いたで。」
コウさんの言葉に車から降りると、そこは真っ暗で何も見えない。
街頭も何もなく、風が吹き木々が触れ合う音が耳に届くも、木々が見えない。
恐る恐る足を差し出していくが、小さな石ころに躓き、歩くことさえままならない。
「こっち。」
そう言ってコウさんはウチの手を繋ぎ、ゆっくり足を進めていく。
ヒールを履いてるウチの為に、一歩、一歩、足場を確かめるようにして、ゆっくりゆっくり歩く。
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