季節

6/6
前へ
/77ページ
次へ
  仕方ない。これ以上待ってもハルは来ないだろう。とりあえず一人で買い物に行くことにした。 切符を買い、最近できたばかりの自動改札を通って、電車が来るのを待つ。寂れた駅だから人が全然いないや。 ふと、この駅の名物である桜の木を見る。毎年、春にはたくさんの花が咲くのでとても綺麗なんだ。 …おかしいな、クリスマスのくせに蕾が膨らんでいる。暖かいから…桜も…勘違いして… …ねぇ、ハル? 季節は僕たちを 置いてくつもりだよ。 キミのいないこの先を 僕はどう生きればいいんだい? どうしてキミは 僕を置いていったんだい?  
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加