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死路
「あなたが死んでも誰も哀しまない」
君は僕にそう言った
僕もそう思う
僕はいつも孤独だった
目の前に敷かれたレール
どこか歪で頼りなく
その上を外れぬように
ずっと進んで来た
でも…
途中下車したくて
窓辺に立つと
君が言った
そう…
急に僕の汽車に乗り込み
僕のすべてを知りたがり
死路を引き留めた君が
なぜ…
君のいない車内の風が
あの日の言葉を詠ぶ
「あなたが死んでも誰も哀しまない」
だから逝くなと…
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