死路

1/1
前へ
/69ページ
次へ

死路

「あなたが死んでも誰も哀しまない」 君は僕にそう言った 僕もそう思う 僕はいつも孤独だった 目の前に敷かれたレール どこか歪で頼りなく その上を外れぬように ずっと進んで来た でも… 途中下車したくて 窓辺に立つと 君が言った そう… 急に僕の汽車に乗り込み 僕のすべてを知りたがり 死路を引き留めた君が なぜ… 君のいない車内の風が あの日の言葉を詠ぶ 「あなたが死んでも誰も哀しまない」 だから逝くなと…
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加