374人が本棚に入れています
本棚に追加
あたしひとりなら
夜の道へ行こうだなんて、到底考えがおよばなかっただろう。
だけど。
仲良しの舞子からの誘いであること、
家に居場所がなかったこと、
その日は何故かイライラしていたこと、
お金がなかったこと、
それらの全ての[タイミング]が、
あたしを夜の蝶になることを後押ししたのだった。
『うん、まぁ…いいよ。』
気がつくと
あたしはそう舞子にこたえていた。
…………こうして
あたしの黒い時間が始まった。
この時
あたしはまだ16歳。
高校1年の冬のころだった。
最初のコメントを投稿しよう!