夜、やってみる?

3/5
前へ
/24ページ
次へ
あたしひとりなら 夜の道へ行こうだなんて、到底考えがおよばなかっただろう。 だけど。 仲良しの舞子からの誘いであること、 家に居場所がなかったこと、 その日は何故かイライラしていたこと、 お金がなかったこと、 それらの全ての[タイミング]が、 あたしを夜の蝶になることを後押ししたのだった。 『うん、まぁ…いいよ。』 気がつくと あたしはそう舞子にこたえていた。 …………こうして あたしの黒い時間が始まった。 この時 あたしはまだ16歳。 高校1年の冬のころだった。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

374人が本棚に入れています
本棚に追加