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洋子は鏡を見ながら自画像を描いていた。
学校の授業で上手く書けなかったので宿題でやってくることになったのだ。
描いても描いても洋子には似ても似つかない。
そのはず。洋子は自分の顔に自信を持っていた。
いわゆるナルシスト。
自分の画力ではとても美しく描けない。
『あー!もう自画像なんてキライ!』
洋子はスケッチをクシャクシャに丸めてゴミ箱へと投げ捨てた。
『私の美しさがこんな紙ぺら一枚で表せるわけないでしょ。』
鏡にはクシャクシャに変形した洋子の顔が写っていた。
─自画像─
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