オバケノニットボー

電気人間

『静電気で悩んでるようだな』

ある路地を歩いてると知らない老人に話しかけられた。黒いフードで顔が見えない。
『なぜ…それを…』

通る人全員にそう言ってるかもしれない。悪質な押し売りってこともある。
失敗したなー…！

だが違った。

老人はエス氏の側頭部にそっと手を当てると何かに集中し、それが終わるとニンマリ笑った。

『あとは好きにしろ』

そう言って老人は路地に消えていった。

それからだった。静電気が起きなくなったのは。