『当選おめでとうさん』

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  「あ、悪魔ぁッ!?」  頓興に叫んだあたしに構わず、彼は平然と答えた。 「そ。正真正銘、掛値なしの純正悪魔だよ」  言って、彼はサングラスを外した。  なんて……眼。  凍て付いた冬の一等星みたいな、ふたつの碧い光。 (こんな瞳の色、見たこと……ない)  あたしは一瞬、寒気を覚えた。 (マジだ。本当に人間じゃないわ、この人。 あ、や、悪魔って言ってるんだから当たり前か) 「……信用したか?」  サングラスを折り畳み、懐へ収め。  男――自称“悪魔”は、渇いた笑みを向けて寄越した。  
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