不運な女

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もともと私にまともな恋愛なんてできるはずがなかった。 これだけ不運な人生を送ってくれば、もう何となくそんなことにも気付き始めてきていた。 朝は必ず目の前で電車のドアは閉まるし 街を歩けば必ずわけのわからない勧誘がついてくるし 友達には必ず変な相談持ち掛けられて巻き込まれるし 必ずポイントカード2倍デーの前日にでかい買い物しちゃうし テストの山は当たったことないし 迷子に親切に話しかけたら誘拐犯に間違えられるし 目の前で限定コスメは売り切れるし 合コンじゃ必ず盛り上げ役になるし ガム踏むし… ホントに自分が嫌になる そんな私はいつだって誰かに甘えたくてしかたがない。 いつだって誰かに甘えられる人生ほど過酷なものはない。 私はそれを18にして悟ってしまったのだった。 ――新垣レイ 若干18歳 高校三年生
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