気付かない運命

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結局私がそんなに懇願しなくても由香はついてきてくれた。 あの時の必死な私を返せと思ったが、またとやかく言われるのはいやなので黙っていた。 当日、由香はとにかくフェミニンだった。 ボーリングとカラオケだし、ちょっとはアクティブな感じでくるかとおもったら… 気合い入りすぎ。 女軍団は私と由香と宮ちゃんと舞ちゃんのみんなで四人。 同じクラスの子をかき集めて来た。 「宮ちゃんまだかな。」 女達だけで待ち合わせた場所で、私たちは最後の一人を待つ。 宮ちゃんは本当はカホちゃんって名前があるけど、みんな苗字の宮ちゃんって呼ぶ。 今日くらいはカホちゃんって呼んであげようと思っていたが、そんな心遣いが由香にあるわけがない。 「あ、きた。宮ちゃーん。」 宮ちゃんも今日は珍しくスカート。 いつも部活をやっているイメージしかない私にとって、意外で新鮮だった。
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