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夏の足音が聞こえ始めた春の一夜。
限りなく続く天空の闇と、そこに広がる無数の星。
この都会で、こんなにはっきりと星空を仰げる日など、あと何回あるのだろうか。
その星たちを、窓辺で寄り添いながら眺める男女の姿があった。
俊貴(トシタカ)と真秀(マホ)と、そしてもうひとり……。
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ここのところ、神木真秀(カミキ マホ)は体の調子があまり良くなかった。
気分が悪い……というわけではないが、少し体が重いと感じることが多くなったような気がする。
もっとも、日常生活に差し障るほどでもないので、皆の前では何事もないように振る舞っていた。
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