スパイカズ・スパンカー

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夏の足音が聞こえ始めた春の一夜。 限りなく続く天空の闇と、そこに広がる無数の星。 この都会で、こんなにはっきりと星空を仰げる日など、あと何回あるのだろうか。 その星たちを、窓辺で寄り添いながら眺める男女の姿があった。 俊貴(トシタカ)と真秀(マホ)と、そしてもうひとり……。 ******************** ここのところ、神木真秀(カミキ マホ)は体の調子があまり良くなかった。 気分が悪い……というわけではないが、少し体が重いと感じることが多くなったような気がする。 もっとも、日常生活に差し障るほどでもないので、皆の前では何事もないように振る舞っていた。  
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