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人は忘れる。
行動、知識、感情さえも。
人は忘れることのできる生き物である。
それはときに人を救い。
人を苦しめる。
たとえ忘れることを望まなくても、人は"忘れ"てしまうのだ。
だが。
忘れることは、なくなってしまうということではない。
そこから消えてなくなるということではない。
ただ思いだせないだけなのだ。
毎日増加するキオクに埋もれ、ただそれを見失っているだけ。
どんなに時間がたっても。
どんなにキオクが増えても。
そこに"存在"したという事実は変わりはしない。
キオクがあるということは。
そこに確かに"生きていた"という証拠。
忘れることもまた、生きているという証。
だから。
精一杯生きればいい。
忘れることを恐れず、ただ前を向いて。
それがたとえ困難な道だったとしても。
なにかを、失う道だったとしても。
忘れることない、キオクなのだから。
人は。
生きるために、生まれてきたのだ。
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