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家から駅まで走ったかいがありなんとか遅刻はしない時間の電車に乗れた。
(ふー。ギリギリだな。)
そんな事を心中でつぶやいてたら後ろから肩を叩かれた。
「ハロー。あんたがこの時間の電車なんて珍しいわね!寝坊?」
人の横に並びくつくつと笑っているこの女は横瀬麻美(よこせまみ)高校時代からの付き合いだ。
「まあ、そんなとこだ。そう言うお前もギリじゃねぇの?」
「あんたと一緒にしないでよねー!私は今日は2時限目から!で、その講義がテストだから今から予習するために大学に行くわけ!これでも成績優秀な優等生なんだから!」
「あっそー。これで性格がもう少しおとなしくーー。」
「んー?真君は今なんか言ったかなぁ?」
「いや、ごめんなさい。」
(おー、恐っ。ったく、全部言い切る前に怒るなよなぁ。)
麻美はかなりの強者である。なんせ俺の高校で有名だった不良軍団を「うるさいから話しつけてくる」と言い、戻ってきたときには手下にしてた。など、こいつの武勇伝を挙げればキリがないほど。
しかし面倒見が良く後輩たちには人気があり、異性・同性問わずに憧れの的だった。
それはどうやら大学に行っても変わらないらしい。
そんな事を考えているうちに電車は目的地に到着した。
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