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『あんなにダレてたのに,最近,むちゃくちゃ調子えぇねん♪』
海をみつめながら,微笑んで石橋さんは言った。
「退院…出来るといいですね!」
『まぁ…もう退院してもやる事ないしな,相変わらず,病院でのなんか点滴とか打つ治療は断ってんねん…無理して命伸ばしても,人間いつかは空に行くねんから…』
まるで,自分の死を,もう恐れていないように感じた。
「でも…まだまだ元気じゃないですか!ねっ!」
『せやな…さっ!美味しい病院ランチでも食べに戻りますか!(笑)』
そう言って石橋さんは,立ち上がってスーツについた砂をはらった。
一瞬,ふらついたように見えた気がして…
私は何故か言ってしまった…
「病院に…会いに行きますから…」
石橋さんは,微笑んで病院の方に歩いて行った。
私は知らなかった…この日,石橋さんは,もって8月末くらいまでの命だと,宣告されていた事を。
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