疾走アンチハレルヤ

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~おまけ~ ジンジャーエールの汗を拭いながら。   「…はぁ?意外とぶっ飛んでんな、斉藤。」   「すごいよね~。男の子って、みんなそうなのかなぁ。」   「いやいやー、実際コウ君もそうかもよ。ところでかえちゃん、この夏のコウ君悩殺プランは?」   「別にコウちゃんの話はしてないじゃないっ!やめてよー。」   「照れんなよ、かえ。私達が全面バックアップしようではないか。我らがブレーン、希望様がおられるぞ。」   「…ナンシー、その遊びには私も含まれてるの?」   「のぞちゃん、これはかえちゃんの幸せの為の崇高な慈善事業であり、我々の退屈を解消もする最高のイベントなんだぜ。」   「あたしで遊ばないでー!!」   「むしろ、あたしと斉藤君を助けてよ!梅ちゃん!」   「本名で呼ぶな馬鹿!悠子は同じくチャリを買って探しに行け。そして帰って来るな。以上。」   「ナンシー、悠子ならマジでやりかねないから、そこは止めてやって。」     「………しっかし。斉藤もアホだよなぁ。なんの意味があるんだか。」   「不思議だよねぇ。」   「え、あたし格好いいとか思っちゃったんだけど。」   「いや、そのせいで夏休みにテメーは遊べなくて、その愚痴を私達は聞く羽目になってんだけど、そこんとこはどうなの?」   「そこは聞いてよマイフレンズ。」   「めんどいからやだ。」     「でも、どこかに行くっていうのはさ……意味は、きっとあるんじゃないかな。そう思いたいな。」   「のぞちゃん…。」 「希望さん…。」     「確かに…きっとそうだな。 さて、割り勘で買ったこのハニーチュロを1人で殆ど食い散らかした馬鹿がいるんだが、ちょっとそんな感じで叱ってやってはくれまいか。私、何か言ったら次は手が出そうで…。私の言うことは聞かんし。」   「ちょっと残ってるじゃん!ナンシー全然食べないんだもん!」   「私は最後まで取っておきたい派なんだよ!テメェ、表出ろ!」   「うるさいうるさい!えいっ!」   パクっ   『あーっ!!』     「こいつ、食いやがったっ…。」   「へっへーん。小さいこと気にするなよ、梅ちゃん。人間性疑われちゃうよん。…って痛い痛い痛い痛い!!」   「食らえアイアンクロー!ごめんなさいは!?ごめんなさい言え!そんで、すぐ買ってこい!」     「ごめんなさい、すぐ行きますー!ナンシー許してー!」     ……………   おしまい。
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