疾走アンチハレルヤ

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バーバリーの化粧ポーチが欲しい。 コーチの財布が欲しい。 ドルシェにあった古着のワンピースが欲しい。 メイベリンの新しいマスカラが欲しい。 もう一回ハワイに行きたい。 雑貨屋さんでバイトしたい。 素敵な彼氏が欲しい。   やりたいことを全部やってたら、時間なんか全然足りないし。つかお金も無いし。   とりあえず、だ。あたしは失恋したのかしてないのかよくわかんない状態だ。   そんでもって、さっき走ったりしたときになんか思いついたんだけども、頭打って忘れた。忘れたことにしておく。     あたしは変わんないと思う。 何も変わらずに、明日も明後日も過ごすよ。だってスーパーお馬鹿だもん。自覚、してんの。       家に帰って、あたしはいつものようにソファに座ってテレビのリモコンに手を伸ばした。   でも、少し迷ってから、つけるのをやめておいた。   そんでもって、パパの部屋まで行って、字ばかりの本を手にとって読んでみる。   しかしまぁ、よくわかんないので、諦める。     携帯を取り出して真柴くんに電話する。陸上部が夏休みはいつ練習してるのかと、体育が2のヤツでも入部できるかってのを聞くために。     まだまだ時間はあるのだ。待ってろよ。            あたしはまだ、二人に追い付くのを諦めちゃいない。               fin.
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