疾走アンチハレルヤ

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バーバリーの化粧ポーチが欲しい。 コーチの財布が欲しい。 ドルシェにあった古着のワンピースが欲しい。 ミスドのハニーチュロ食べたい。 ジンジャーエール飲みたい。 メイベリンの新しいマスカラ試したい。つか欲しい。 もう一回ハワイに行きたい。 雑貨屋さんでバイトしたい。 素敵な彼氏が欲しい。     特に最後の重要。   高望みはしません。素朴で優しくて絶対浮気なんかしない彼氏が欲しいです。神様。えーと、あー、世界の神様!なんだか空のうえとかにいそうな、そう、君だ!今日こそはあたしの願い事、ヨロシク頼む!できれば一学期中!まぁ夏休みでもギリギリ許可!     「もしもーし、悠子さーん?煩悩が音声出力されてますよー? 素敵な彼氏が欲しいなら、まずその素敵な脳ミソどうにかしたほうがいいんじゃねぇの?」   後ろからナンシーにバシバシと突っ込まれる。ひどい。 しかし、めげてはいられない。そんなあたしの全てを愛してくれる人はいるはずなのだ。うん。根拠、全然無いけど。     そろそろテスト前。当然、あたしたちが勉強してるわけない。しかし、そんなことは些細なこと。なんだか株価が下落して、なんだか会社がどうにかなって~みたいな23時のニュースのように、あたしには全く無関係な大事件だ。 そんな面倒くさいことはとりあえずあっちにやっちゃって、とりあえずミスド行こミスド。と、ひっじょーに微妙な表情を浮かべる友達二人を引っ張ってミスドに向かうのでした。…神様がいつも叶えてくれるのはコレだけ。悠子、寂しいな…。毎日、お空の神様にお願いしてるんだから、ちょっとくらい叶えてくれたっていいのに。神様のイヂワル!!       しかし、である。 難しいことはよくわかんないんだけど、どうやら真面目に勉強すると何かお得らしいって噂。やっぱ短大くらい出とかなきゃこんな時代だしってこれママの受け売りなんだけど。てなことをハニーチュロ齧りながら考える。どうだナンシー、あたしはいっつも買い物と食べ物のことばっかり考えてるんじゃないんだよ。って、ナンシーに不敵に笑いかけてやったらナンシーはクロスワードに夢中。   「《20代迄にはなんとか》で、《け●こ●》…?これ、もしかして《健康》かな?け、ん、こ、う、と。」   ……いや、結婚じゃね?    
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