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『吸血鬼』
それは動物の血を飲んで生きるもの。
それらは空想上の生物であると言われている
吸血鬼
この生物には一度会ったことがある
・・―――
僕が幼く、両親をなくして間もないころ、突然家に現れた
そいつは僕を見るなりいきなり首に噛み付いてきた
「ぅっ・・・」
わけも分からずにされるがままの状態が続いた
ドクンッ
しばらくすると、心臓が大きく跳ね、指先がビリビリとしだした
「ぁっ・・・ん・・」
意識が朦朧としてきたとき、その吸血鬼が牙を抜いた
「――・・お前!!『ブラッダー』か!!こんなとこで出くわすとは・・」
吸血鬼が口端についた血を舐め、都合が悪そうに呟いた
「くそっ!!あいつがこんなところに連れてくるから・・・、っ!!あああぁぁぁああっ!!」
吸血鬼は僕を睨んで悪態をついた
かと思うと、床にうずくまり頭を抱えて苦しそうに叫びだした
僕はただ呆然と眺めるしかなく、ふらふらと動き回る吸血鬼を見ていた
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