クローバー

「友達みたいに彼氏とも付き合えたらいいなぁ。何でも話せて、相談とか乗ったりして。恋愛は二の次でもいいやぁ」

「う、そ」

「はぁ･･････嘘だよねぇ」

恋愛体質の四葉さんは、実に見事なまでに恋多き乙女で、あれやこれやと恋の痛手と深手を数多く負って生きている。

恋人と友達関係を築くことなど、四葉さんにできるはずがない。

「でも、そういうふうな付き合いができるようになりたいなぁ。あぁ、なりたいわぁあ」

四葉さんはよく分からない歌をしばらく歌っていた。

そのうち続きが見当たらなくなったらしく、歌うのを止めて代わりに五杯目のビールをおかわりした。

わたしも三杯目の梅酒をロックでおかわりした。