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四葉さんは中ジョッキのビールを五杯、それから紫蘇焼酎を三杯、麦焼酎を一杯、芋焼酎を二杯呑んで、ついにつぶれてしまった。
黒霧島やら閻魔やら、あげく鬼ごろしなんて名前の酒をロックで呑み干して行く四葉さんの姿は、もう恋人の影すら見えないものと化してしまっていた。
終いに四葉さんはカウンターに顔を伏せて、時折「ばかぁ」とか「もういいの」とか呟きながら眠ってしまった。
わたしは四葉さんの分と合わせて勘定を済ませ、四葉さんを背中に抱えて、その店を出た。
背中に吐かれでもしないかと冷や冷やしたが、四葉さんはすやすやと子供のような寝息をたてていた。
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