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大抵いつも呑みに誘ってくれるのは四葉さんの方からで、それはいつだって四葉さんが彼氏とケンカをしたタイミングだった。
その度についでのように自分のことを訊ねられたが、わたしにはもう随分と恋人がいなかった。
仕事が忙しいからとか、やりたいことがあるからとか、今はそういう気分じゃないとか、そんな理由をその都度取り出して来たが、最近じゃ良い縁がないからと言っている。
それはその通りで、年齢と共に、構築されたまわりの人間関係が固定されて行き、そこで恋愛に発展しないものは、どれだけ時間をかけたところで変わることはなかった。
わたしと四葉さんは今年で三十五歳になる。
四葉さんの方は多少年齢的な焦りもあるようだが、わたしはそんな四葉さんを観ているだけでお腹も心もいっぱいだった。
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