9367人が本棚に入れています
本棚に追加
寝起きの、まだボーッとした頭で、彼女は考えた。
(2008年から来ました…なんて、この人は信じてくれるんだろうか?)
疑心暗鬼の塊みたいな男だもの、言った瞬間、斬られそう…
そんな彼女の姿に、無意識のまま釘付けになる土方。
色白の肌に、やや派手めな顔立ち…
なにげに好みのタイプらしいが、そんなそぶりは微塵も見せずに、相変わらず猜疑の目を向ける。
「答えられないところを見ると、やはり間者なのか?」
「…かんじゃ?クランケ?」
「くらん…?」
「……わたしの言うこと、信じてくれるんですか?」
「あん?」
いぶかしげに眉をひそめる土方に、眞子は慎重に言葉を選んで、これまでの経緯を話して聞かせた。
(最期が斬首なんて、勘弁!)
心から思った…いや、切望した。
最初のコメントを投稿しよう!