水と油

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さすがの土方も少々哀れみを感じたらしく、慰めの言葉を探していると。 「そうだっ!」 何かを思い出したのか、眞子が叫び声をあげ、彼の体がびくりと揺れた。 「何なんだよ?」 「わたしのバッグ…荷物は?」 意味のわからない言葉を発し、ずいずい迫ってくる。 「おまえ、妙な気を起こすなよ?」 一分の隙もなく、刀に手をかけた。 「妙な気、ってなんですか?あんた、ちょっとイケメンだからって、女の子がみんななびくと思ったら、大間違いですよっ」 …とらえ方の相違だ。 そんな罵声はさらっと無視して、土方は油断なく彼女の腕をつかみ、近藤の部屋へ向かった。 携帯、財布、デジカメ、メイク用具… 21世紀の女の子のショルダーバッグからは、まるでおもちゃ箱をひっくり返したように、見たこともない不思議な品々が次々と飛び出してくる。 「歳よ…」 「いや、俺に聞かれてもわからんぜ…」 あっけにとられて、しばし無言の(後の)ツートップ。
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