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そこへ…
「うわぁ~、何だかわくわくしますね」
すらっと背の高い、可愛いらしい男の子が、顔を覗かせた。
柔らかそうな髪の毛を揺らしながら、眞子の隣にひょこと座る。
一瞬のうちにその場の空気がゆるみ、子どもみたいに澄んだ瞳を輝かせている。
年は、眞子と同じくらいか?
華奢で、儚げな印象を受けた。
「総司、お前は…」
黙って見ていた近藤が、ため息まじりにつぶやいた。
(この人が、沖田総司…)
名前だけは父からしつこいほど聞いていたが、右から左に抜けていったため、知識は限りなく0に近い。
眞子は、彼の無邪気な笑顔を見つめ、それに気づいた総司は、にこっと優しくほほ笑み返す。
まるで、十年来の幼なじみに、屈託なく笑いかけられてるような感じがした。
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