水と油

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デジカメに夢中だった総司が、ふいっと顔を上げる。 「悪い人じゃなさそうですよ。軟禁することはないんじゃないですか?」 女の子みたいに小首をかしげて、穏やかに意見した。 「だめだっ!なに戯れごと言ってんだ!」 唾を飛ばす勢いで、猛烈に拒否るのは、やっぱりコイツだ。 「頬にもみじつけて言われてもなぁ…」 いたずらっぽく笑いながら食い下がる総司は、なかなか手強い相手らしい。 「はっはっはっ!歳よぉ、総司の言うとおりだ、まぁいいじゃねぇか」 近藤も、大きな口を開けて加勢するが… 「うるせえっ!駄目なもんは駄目だ!」 例のごとく厳しい表情を少しも崩さない土方に、ぴしゃりと遮られてしまう。 …あんたには、血も涙も通ってないのか? (コイツはほんと…) 心底恨めしそうに彼を睨んだ眞子は、盛大にため息をついた。 .
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