9367人が本棚に入れています
本棚に追加
暗い監禁部屋に、総司とふたり。
「初めて笑ったね」
「え…?」
「眞子は、笑った顔が可愛いね」
目を細めてクスッと笑うと、優しく頭をなでる。
少しかがむとなめらかな髪が揺れ、童顔な彼に不釣り合いなほど大きな手は、とても温かい。
目が合うと、総司はにっこりほほ笑み、あぐらをかいて目線を合わせる。
「ここだけの話だけどね、土方さんは、君みたいな子が好みなんだよ」
「はッ?冗談!わたしのこと、疑わしいから閉じ込めておくんでしょ?」
ムキになって否定する眞子を見ると、何を考えているかわからない、不思議な笑い声をあげ、
「ん~、それも確かにあるけどね」
意味深につぶやくと、スッと座り直した。
「わたしの部屋に来ませんか?」
「…え?でも…」
「大丈夫。あなたはわたしたちの敵じゃないんでしょう?見ればわかります」
「……っ」
予想外の温かい言葉。
今日だけで一体幾度目か、もはやわからないが、再び熱いものがこみ上げてくる。
でも必死にこらえて、ひきつった笑みを浮かべた。
最初のコメントを投稿しよう!