水と油

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暗い監禁部屋に、総司とふたり。 「初めて笑ったね」 「え…?」 「眞子は、笑った顔が可愛いね」 目を細めてクスッと笑うと、優しく頭をなでる。 少しかがむとなめらかな髪が揺れ、童顔な彼に不釣り合いなほど大きな手は、とても温かい。 目が合うと、総司はにっこりほほ笑み、あぐらをかいて目線を合わせる。 「ここだけの話だけどね、土方さんは、君みたいな子が好みなんだよ」 「はッ?冗談!わたしのこと、疑わしいから閉じ込めておくんでしょ?」 ムキになって否定する眞子を見ると、何を考えているかわからない、不思議な笑い声をあげ、 「ん~、それも確かにあるけどね」 意味深につぶやくと、スッと座り直した。 「わたしの部屋に来ませんか?」 「…え?でも…」 「大丈夫。あなたはわたしたちの敵じゃないんでしょう?見ればわかります」 「……っ」 予想外の温かい言葉。 今日だけで一体幾度目か、もはやわからないが、再び熱いものがこみ上げてくる。 でも必死にこらえて、ひきつった笑みを浮かべた。
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