水と油

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そんなこんなで、眞子は無事(?)軟禁状態から解放され、陽のあたる部屋へと移される運びとなった。 正確には、総司の部屋の隣にある、3畳ほどの納戸。 蜘蛛の巣パラダイスと化していたその部屋を簡単に掃除したら、文字通り「身ひとつ」で移動する。 当面は女中として、屯所内の雑用や食事の支度を手伝うことになった。 たいした出世である。 ――ただし、条件があった。 不審な行動があれば、容赦なく斬り捨てられること。 隊士たちに、素性を明かさないこと。 そして、それを侵した場合は、総司にも処分が下ること。 厳しいのは承知だが、そこだけは譲れない土方なのだった。 .
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