渡る世間に鬼はない?

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「あの…総司…」 遠慮がちに、彼の斜め後ろに膝をつく。 「なに?」 顔をあげ、優しく促す総司。 「その…ありがとう」 「なにが?」 「えっと、わたしのこと…」 上手く言葉がでてこないもどかしさ。 でも、彼と向かい合っていると、沈黙さえも苦にならないから不思議だ。 次の言葉を探していた眞子の鼻が、ピクッと動いたのと、障子に影が動いたのは、ほぼ同時。 総司の手が止まった。 「入るぞ」 無遠慮に障子がスパン!と開いて、土方が入ってきた。 モンスターが現れた! …そんな気分だった。
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