女心と秋の空

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少しずらして、どちらからともなく唇を重ねると、その柔らかさと愛おしさに、夢中でお互いを感じた。 ぎゅっと強く抱きしめる。 両腕は彼の背に伸びて、身体がジン…と熱くなるのを感じた。 初めての時みたいに、ドキドキする。 「はぁ…ん…ひ、じかたさん…」 「…眞子」 止まらない。 かすかに残る、女の香りが気になったが、止まらない。 唇を離すと、頬を紅く染めながらしかし、名残惜しそうに見つめ返す、眞子の姿が目に映る。 すでに乱れ始めた呼吸を悟られないよう、彼女をひょいと抱えあげると、自室へと連れてゆく。 再び口づけ、――耳、おでこ、首筋、うなじ――舌を這わせた。 「…んっ、ぃゃ…」 時おりビクン…と反応しながら、顔を歪ませて、震える声で小さく抗う。
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