9363人が本棚に入れています
本棚に追加
/842ページ
少しずらして、どちらからともなく唇を重ねると、その柔らかさと愛おしさに、夢中でお互いを感じた。
ぎゅっと強く抱きしめる。
両腕は彼の背に伸びて、身体がジン…と熱くなるのを感じた。
初めての時みたいに、ドキドキする。
「はぁ…ん…ひ、じかたさん…」
「…眞子」
止まらない。
かすかに残る、女の香りが気になったが、止まらない。
唇を離すと、頬を紅く染めながらしかし、名残惜しそうに見つめ返す、眞子の姿が目に映る。
すでに乱れ始めた呼吸を悟られないよう、彼女をひょいと抱えあげると、自室へと連れてゆく。
再び口づけ、――耳、おでこ、首筋、うなじ――舌を這わせた。
「…んっ、ぃゃ…」
時おりビクン…と反応しながら、顔を歪ませて、震える声で小さく抗う。
最初のコメントを投稿しよう!