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「飴…玉…?」
「あの日兄やがくれた飴玉不注意で落としてしまって…それを拾おうとして転落したの。…だから!!だから兄やは何も悪くない。それどころか兄やは助けようとあんな川の中飛びこんできてくれた。それで十分だから。お願いだから自分をそんなに責めないで。」
背中越しに聞こえる声は震えていてさっきまでの神々しいまでの天使はもういなかった。
代わりに目の前にいるのはこどもの頃いつも後ろをついてまわってた小さい女の子だった。
震える肩に後ろからシーツを巻き付けてあげるとそのまま包み込むように抱きしめた。
「ありがとう。生きていてくれて。」
きっとあの悪夢を見る事はもうないだろう。
抱きしめたまま窓から日の出を二人で眺める。
いつもの一日が始まる。
でも昨日とは違う朝が来る…そんな感じがした。
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