散らばる予兆

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「超の一件で麻帆良のセキュリティーもより高くなったって聞いていたが、流石にこういうのには対応できねぇみたいだな……ウィルスが暴れだしたら動くんだろうけどな」  するとそこに、 「お、丁度いいところに」 「あっ、タカミチ」  ネギは今度こそパソコンの電源を落とし、タカミチのそばに駆け寄る。 「何か用?」 「あぁ、ちょっとね。ちなみにもう仕事は終わったのかい?」 「うん。今から帰るところだけど……」  語尾がわずかに小さくなり、視線をずらしたネギに対して、タカミチはいつものように優しく、 「どうしたんだい?」 「いや、今外でアスナさん達が待ってるから、あまり長くなる用事だったら先に帰ってもらおうかなって……」 「ああ、それは丁度いい。ではアスナ君たちにも一緒にもらおうかな」  その言葉を聞いて、すぐさま魔法関係の事であると悟ったネギは、わずかに顔を引き締めた。その真剣な顔を見たタカミチは心の中で感心していた。 (いい顔だ……さすがエヴァのとこで修業しているだけあって、たくましくなったなぁ) 「何か起きたの?」 「ん?いや、今のところはそんな緊急を要することじゃないけど……まぁ詳しくは学園長のところでね」 「わかった。じゃあ、アスナさん達を呼んでくるね」 「僕は先に学園長室に行ってるよ」  こうして、二人は職員室を出ていった。  そのわずか数分前から、公私問わず麻帆良学園中のパソコンに一件のメールが届き始めていた。そのタイトルには一万円当たりました!と書かれており、さらに添付ファイルも付いていた。 「失礼します」 「うむ。入ってきなさい」  ドアの前でノックをした後、中から学園長の声が聞こえてきた。ドアを開けて中に入ると、いつもの机の上に学園長が、その隣にタカミチが立っていた。 「おじいちゃん、一体どないしたん?」 「何か厄介なことでも起きたのですか?」  一緒に入ってきた木乃香と刹那が歩み寄りながら尋ねる。その後ろにネギと明日菜が並ぶ格好となった。
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