動き始める歯車

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 空は透けるような青空が広がり、所々真っ白な雲が模様のよう広がり、そして流れていく。朝日は既にかなり高い位置まで昇り、じりじりと大地を焼き付けていた。焼き石のように熱くなったアスファルトから熱気が立ち上り、上から下からと道行く人たちを容赦なく熱していた。 「うわぁ~、今日も暑いなぁ~」  そんな中、明石祐奈が手で目に日陰を作り、恨めしそうに太陽を見上げる。 「そうだね~」  その隣を歩く佐々木まき絵もポケットからハンカチを取り出して汗を拭う。 「それにしても夏休みなのに学校行くなんて、やだなぁ~」 「ほんとだよね、誰が夏休みに登校日なんて作ったんだろうね」 「確かに。どうせそんな日を作るなら、夏休みを一日減らしてくれた方がいいよ」  するとまき絵のさらに隣、和泉亜子と大河内アキラが会話に入ってきた。 「まぁ終戦記念日とかあるし、夏休みで怠けすぎへんようにするためとかちゃうん?」 「うん、仕方ないよ」 「う~ん……でもにゃ~」  納得できなさそうに裕奈が唸っていると、 「あっ、まき絵さん裕奈さん、亜子さんにアキラさん。おはようございます」  そこへ彼女達の所属するクラス、3ーAの担任で、あらゆる意味で人気の子供先生、ネギ・スプリングフィールドが駆け寄ってきた。 「あっ、ネギ君おはよ~」  いち早く声に反応したまき絵が手を振りながら答える。 「おはよ~、ネギ君。ついでにみんなも」 「おはよう、ネギ先生」 「ネギ先生おはよ~。なんや3ーAばかりやな」  亜子の言う通り、ネギの周りにはいつものメンバーとして周知の神楽坂明日菜、近衛木乃香、桜咲刹那を初めとして、図書館三人組や長瀬楓、古菲などなど彼女達のクラスメートがたくさんいた。
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