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立ち話もしんどかったので、部室の隅にある椅子に向かい合わせに座った。
話しを聞くと…、と言っても一方的にしゃべってもらったばかりだったが、星に興味があったらしい、つまり入部希望者だ。
何故今さら?と、疑問にも思ったが、まぁ…どうでも良いや。と思い、担任か顧問にでも申請書を提出するように言って紙を渡した。
どれ程の時が流れただろうか…。
多分ほんの数分ほどの事だった。
何を話せば良いのか、話しかけて良いのか、何処に居ればいんだろ?、息するのってこんなに難しかったっけ?、…沢山の思考が頭の中を駆け巡る。
「あのぅ…」
話しかけたのはまた彼女からだった…。
「お名前を、教えてもらえますかね?」
「あっ!…と、2年の神谷…神谷博美です。」
「えっと…、なら神谷先輩…で良いですかね?」
「あぁ…はい。
え~っと、川上さん…で良いですかね?」
「はい。」
名前と呼び方についての何ともないただの会話だったが、博美は今までにないほどの胸の高鳴りと感情を抱いた。
よくわからないが、ひどく緊張していたためだろう。
…それからまた特に何の会話も無いまま10分ほど過ぎ。
「あの…」
「?」
今度は博美からだった。
「明日から毎日、放課後にやってるので…、よければ来て下さい。」
「…はい。」
「…それじゃ。」
それだけ伝えて、少し足早に教室を出た。
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