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チャポンッ
投げられた水球は少年の顔を包みこむ。
「……ゴボゴボ……ゴボボボ……っ!?」
少年はしばらくそのまま寝ていたが、寝苦しそうに目を覚まし自分の置かれている状況に驚愕した。
「あっ。やっと起きたんだぁ?」
「ぶぁいぐぼん!(サイクロン)」
少年が呪文を唱えると風が水球を吹き飛ばした。
「ゴホッゴホッ……アリス?」
「な~に?」
「オレを殺したいのか?」
アリスと呼ばれた少女は左手を顎に持っていき少し考えると答えた。
「うん」
冗談じゃない!
このゼロ=ヴァレンシアは妹なんぞには殺されん。
「アリス?お仕置きが必要なようだな?」
ゼロという銀色の長髪に青い瞳をもつ美形の少年は、無表情ながらも怒りのオーラをまとっている。
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