第三章 -魔眼-

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「ふぅ、さっぱりした」 ゼロがタオルで頭をゴシゴシと掻きながらリビングに移動すると、リンスの膝枕でアリスがスヤスヤと眠っていた。 「まったく、いつまで母さんに甘えてるつもりなんだか」 「ふふっ、このくらいの年齢の子は普通はみんなこうなのよ?ゼロが大人びすぎてるの」 「子供扱いされるのは、あまり好きじゃないからね」 冷蔵庫から取り出した牛乳をコップに注ぐとゼロは椅子に腰掛ける。 「ホントに父さんそっくりね、あの人が生きてたらゼロを見てなんて言うんだろう?」 「さぁね、オレにはわかんないよ」 「ふふっ、それもそうね」 口の周りを牛乳で白くして首を傾げたゼロを見て、クスクス笑いながらリンスはアリスの頭を撫でていた。
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