第三章 -魔眼-

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はじめて見る友の涙…… 友をここまで追いつめられ、大事な妹もさらわれた…… それはゼロの中の“なにか”を目覚めさせるには十分すぎた。 「安心して待ってろ」 ゼロがギアの体に右手をかざすと、一瞬にしてギアの体から傷が消えた。 「……オレもいくで」 しかし、立ち上がろうとしたギアの膝は崩れ落ちる。 「悪いな……眠っていてくれ」 ギアを屋根のある休憩所まで運ぶと、ゼロはその場から一瞬にして消えた。 「くっ、阿呆が……」 取り残されたギアの目に映るは友の姿ではなく、急に降り出した土砂降りの雨だった。
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