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「でも2人ともまたしばらく会えなくなっちゃうのよね……」
そういうとリンスは少し寂しそうに笑った。
「長期休暇の時はいつもみたいに帰ってくるさ」
「そうだよっ」
ゼロとアリスは普段は学園の寮に泊まっているので、帰ってこれるのは年に4回ある長期休暇の間だけなのだ。
「そうよね、二度と会えないわけじゃないものね」
「あぁ」
「お兄ちゃん、そろそろ時間だよ?」
ゼロはアリスにそういわれて視線を時計に向けた。
「もうこんな時間か」
そういうとゼロは立ち上がり荷物をもつと玄関へ向かった。
アリスとリンスもそれにくっつくように玄関へと向かった。
ゼロが扉を開くと外の光が隙間から少しずつ入り込み、その銀髪を煌びやかに照らしだす。
「行ってきまーす!ほら、お兄ちゃんも!」
ゼロは外に出ると振りかえり照れくさそうに口を開いた。
「行ってくるよ、母さん」
リンスはそんなゼロとアリスに優しい笑顔でいってらっしゃいと言った。
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