輝き

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幸せになりたかった。 たくさんの愛で、溺れるぐらいに。 貴方は 俺の幸せが、自分の幸せだと言った。 俺が幸せなことが、自分の幸福に繋がると。 自分の不幸を闇に落とし、 自分の幸せしか願わなくなった俺に、 あなたは微笑んだ。 こんなにも温かい木漏れ日の中 俺は夢を見る。 あなたが笑い、 それが嬉しくて笑う自分がいる。 そんな、ゆめ。 「..輝栄?」 「...ん..?」 「なんだ、寝ぼけてるのですか?」 「...ゆめ」 「夢?」 「ん..。あんたが幸せそうにしてたゆめ...」 「...へぇ」 「だから俺も、幸せそうだった..」 「っ、.....輝栄、それは」 「ふふ、そう..おれ、今、....すっごいしあわせ」 「....私もです」 唇に甘い感触。 だけど少し、しょっぱかった。 「「.....愛してる」」 ひだまりの匂いが 鼻をくすぐっていった。 Fin.
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