瞳を開けたら

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朝起きたら、いつもと変わらない。『だるい~』。携帯をいじりながら、学校の用意をして、親に気付かれないように家を出た。 いつもと同じ。 何も変わらない日常が心に痛く感じる。 『男欲しいな~』、作る気はあるけど、出会いがないからね~。 道ですれ違う人に、声に出さずに聞いてみた。 『生きてて楽しい?』 『死にたくならない?』 交差点の信号が、青になるのを待ってたら、肩を叩かれた。『おはよう♪』 聞き覚えある声。 見たら、昨日のコンビニで会ったホスト。 『今から学校行くの?』 『うん』 『だから、何』 すると、ホストは私に、『時間ある?』 『ちょっと付き合ってよ!』 私の手を握り、私が来た道を引き返す。 『どこに行くの?』 話しかけても、笑うだけで何も言わない。 着いた所は自販機。 『はい!』 渡された物を見たら、「抹茶オレ」。 だから、飲めねぇって。 汚い公園に着いた。 ベンチに座って、2人で飲んだ。 『俺ねぇ、酒飲めなくて。』 いきなり言われた事に、びっくりしたと共に笑ってしまった。 『ホストでしょ?』 『ダメじゃん?』 意味なく笑えた。 相手も笑ってた。 どれぐらい時間が経ったか、わからないぐらい2人は話した。 携帯を、何時間も見ないなんて久しぶり。 気付けば、太陽がかたむいてきてる。 『一杯喋った~。』 『楽しかった~。 久しぶりに笑ったよ。』 『ごめんね~。 長々と付き合わしちゃって』 『いいよ。 気にしないでよ~』 『帰ろうかっ?』ホストが言ってきた 『まだ、いいじゃん!』 私はまだ帰りたくなかったから。 『ダメだよん! 帰らないと』 笑顔で言われても、帰りたくない。 『だって~。』 『ちょっと待ってね』 私に背を向けて、何かしてる。 振り返って、私に、『はい♪ コレ!』 渡されたのはレシートだった。 裏側に携帯の番号と一緒にクマの絵が書いて会った。 『また、電話するから、登録しといて』 って、言いながらホストは走って行った。 『なんだろ~? あの人?』 『まぁ、登録しとくか。』
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