魔法の国 カムラン

2/10
前へ
/151ページ
次へ
「・・・・っ、・・・・ぅん」 見知らぬ部屋で、目が覚めた。 (ここは何処だ? 確かさっきまで川にいて、それから・・・・・。) 「あ、気がつきましたか!」 朦朧とする頭で、さっきまでの事を思い出そうとしていると、少女が一人部屋に入ってきた。 「・・・君は?」 「私はアルト。 アルト=ウィクリトエといいます。」 「ここは何処なんだ? ってゆーか何故俺はここにいるんだ?」 爻哉がそう言うと、アルトは急に顔を真っ赤にさして、小さな声で言った。 「えっと、さっき川で水浴びをしてたら、その~貴方が来て、・・・・・。」 最後の方は上手く聞き取れなかったが、アルトの言葉で先ほどの出来事を思い出し、顔がどんどん赤くなってきた。 「川での事は、けっしてその~の、覗きとかじゃなくて不可抗力で・・・・・すいません。」 土下座しながら素直に謝る。 「い、いえ。不慮の事故なので私にも責任がありますので。」 アルトもオロオロしながらも謝ってきた。 「いや、悪いのは俺だしウィクリトエさんは謝らなくても」 「いえいえ、周りに気を配らなかった私の責任でもあります。」 尚も謝るアルト。 このままでは話が進みそうにないので、話題を変える事にした。 「あ、俺は影峯 爻哉っていうんだ。」 とりあえず自己紹介をしておく。 「カゲミネ コウヤさんですか?ずいぶん変わった名前をしてるんですね。」 「そんなに変わった名前かな?まぁそれは置いといて、ここはいったい何処なんですか?」 「え?何処ってここはカムラン国のウィクリトエ邸ですが。」 アルトは何故爻哉が解らないのかが不思議なような様子であった。 「カムラン? ヨーロッパにそんな国あったかな?」
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1827人が本棚に入れています
本棚に追加