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「・・・・っ、・・・・ぅん」
見知らぬ部屋で、目が覚めた。
(ここは何処だ? 確かさっきまで川にいて、それから・・・・・。)
「あ、気がつきましたか!」
朦朧とする頭で、さっきまでの事を思い出そうとしていると、少女が一人部屋に入ってきた。
「・・・君は?」
「私はアルト。
アルト=ウィクリトエといいます。」
「ここは何処なんだ?
ってゆーか何故俺はここにいるんだ?」
爻哉がそう言うと、アルトは急に顔を真っ赤にさして、小さな声で言った。
「えっと、さっき川で水浴びをしてたら、その~貴方が来て、・・・・・。」
最後の方は上手く聞き取れなかったが、アルトの言葉で先ほどの出来事を思い出し、顔がどんどん赤くなってきた。
「川での事は、けっしてその~の、覗きとかじゃなくて不可抗力で・・・・・すいません。」
土下座しながら素直に謝る。
「い、いえ。不慮の事故なので私にも責任がありますので。」
アルトもオロオロしながらも謝ってきた。
「いや、悪いのは俺だしウィクリトエさんは謝らなくても」
「いえいえ、周りに気を配らなかった私の責任でもあります。」
尚も謝るアルト。
このままでは話が進みそうにないので、話題を変える事にした。
「あ、俺は影峯 爻哉っていうんだ。」
とりあえず自己紹介をしておく。
「カゲミネ コウヤさんですか?ずいぶん変わった名前をしてるんですね。」
「そんなに変わった名前かな?まぁそれは置いといて、ここはいったい何処なんですか?」
「え?何処ってここはカムラン国のウィクリトエ邸ですが。」
アルトは何故爻哉が解らないのかが不思議なような様子であった。
「カムラン? ヨーロッパにそんな国あったかな?」
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