最果の地-ヤマサキ-

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最果の地-ヤマサキ-

アンパンマソが飛び出して一時間の時が流れた。 ジャムおぢさんは自分の犯した悪ふざけを悔やみ、まだ泣き崩れていた。 そんな姿を見てジャムパンマンはそっとジャムおぢさんの肩に手を置き話し掛けた。 ジャムパンマン:「ジャムおぢさん、泣いていても何の解決にもなりませんよ。大切なのはこれからどうするかです。教えて下さい。兄さんが言った【最果の地ヤマサキ】とは一体何なのですか!?」 【最果の地ヤマサキ】という言葉を聞いて泣きシャックリで肩を震わせていたジャムおぢさんの動きが一瞬止まった。そして今度は見えぬ恐怖に脅えるかのようにガタガタと震えだした。そして静かに話し始めた。 ジャムおぢさん:「…最果の地ヤマサキ…たしかにアンパンマソはそう言ったね…恐ろしい所だよ…ヤマサキは…」 ジャムパンマン:「何がそんなに恐ろしいのですか!?詳しく教えて下さい!」 ジャムおぢさん:「最果の地と例えられているのには訳があるのだよ…ヤマサキというのは大手パン製造メーカーだよ。ヤマサキに目をつけたれたら個人経営のパン工場など一握りで潰されてしまう…どんなに腕のあるパン職人もヤマサキの前では虫けら同然…それだけの権力を持つヤマサキを我々業界人は【パン帝国ヤマサキ】と呼び関わりを避けているのだよ。ある職人は【パンの世紀末】とも呼び、そこから【最果の地】という異名がついたのだよ…」 ジャムおぢさんはそこまで言うと頭を抱え込みうずくまってしまった。
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