PROGRAM1 消失~起因する物語

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放課後、部活も終わった頃に蒿は俺の前に姿を現した。 「遅かったな。」 「あはは…まさかお腹壊すとは思わなかったよ…。」 「あの化け物胃袋に釣られて喰うからだ…全く……。」 俺は呆れながら荷物を肩に掛け、蒿と共に剣道場を後にした。 校門付近で雛と待ち合わせをしているから、俺達は急いでその場所まで向かおうとしていると、雛が目の前に現れた。 「やあ、二人とも。」 「なんだ…わざわざこっちに来たのか?校門で待っていれば良かっただろう。」 俺がそう言うと、雛はめずらしくその無表情の顔を僅かに歪めた。 「紅蓮、蒿。信じられないかも知れないけれど…」 「ああ、ここに居たのか…。」 雛の言葉を遮るように宮方師匠が俺達三人の前に走り寄って来た。 その表情は険しく、何かあったと言わんばかりの形相だった。 こんな師匠は初めて見る…。 「紅蓮、蒿くん。もう雛くんには話しているが、よく聞いて欲しい…。」 「何か…あったんですか…?」 蒿が確かめるように言葉を発した。 「…ああ……。アリスくんが…」 「誘拐された…。」 師匠が言葉を詰まらせているところに、雛が言葉を補填した。 雛が言った事に俺は一瞬、時間の感覚を失った。 アリスが誘拐された…。 目的は何だ。 金か、それとも神影の残等か…。 それなら仲間の救出だろう。 あるいは… 「アリス自身…。」 「紅蓮…。何か心当たりでも…?」 雛が俺の様子に気づき、その声でみなが俺を見る。 「…無いわけではないが………恐らく…アリス親衛隊…。」 「なるほど…可能性はあり得るね…」 最初に俺の予想に頷いたのは雛だった。 その後に続いて残りの二人もそれに続く。 「そうか…アイツ等……!!許せない、今すぐにでもアイツ等を捕まえて………!」 「待つんだ蒿くん。まだそうと決まった訳じゃない。」 走り出そうとする蒿を師匠が掴み止める。 俺はそれに一息ついて、心の中で冷静な師匠に感謝した。 しかし、アリスは一体どこに、誰に連れ去られたんだ…。 「師匠、アリスが誘拐されたと何処で知ったんです?」 「ああ、そうだな。まずそれから話すべきだったな…学校の校門に手紙が置かれていたらしい。『立花アリスは預かった。返してほしくば探すがいい、返す気は毛頭無いのでな。』と書かれていた。」
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