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―ピピピピピピッ……。
目覚ましを手で叩くと、うるさい鐘はようやく鳴り止んだ。
「……眠い」
眠気とだるさが頭の中で睡魔を生む。もうしばらく寝ていたいのだが、そう言う訳にも行かない。義母さんが朝食を作って待っているだろうし、何より学校がある。
「あぁ、ダルい…ふわぁ…」
俺は頭を掻きながら起き上がると、壁に掛けてあった制服に手を伸ばした。
「おはよう義母さん……」
「あら、おはよう紅蓮」
とりあえず席に着いた俺は、新聞を手にとって読み始める。一面には「神影、連合軍と戦闘でほぼ壊滅」という見出しで始まる記事があった。
[先日の神影との東京戦は、連合軍が圧倒し長年の因縁に終止符が打たれた。神影による長年の右翼派テロはこれで事実上なくなるものとおもわれており、今後の残党への対処が注目されています]
壊滅……。
この言葉に何故か違和感を覚えた。その何故か考えようとした時…背中に衝撃が走った。
「グヴ!!」
「あ、入った」
俺は声がした方に振り向き、高速でたたんだ新聞で声の主を思いっきり叩いた。
「痛っ!なんで叩くのよ!!」
頭を抱え込んでい女だ。コバルトブルーの瞳と金色の髪は母親譲りか。
「朝っぱらから何だ!?アリス、お前が先にしたんだろう、文句はあるまい。」
「えっ?な…何のこと?」
俺が睨みを利かせて後ろを向くと、アリスはわざとらしく視線を天井にずらした。
「コイツは…」
アリスの言葉に呆れて、頭をガックリと落とす。それとほぼ同時、キッチンから義母さんの呼び声が掛かった。
「アリス、紅蓮。ご飯出来たわよー。」
「ハーイ!」
「ああ~い」
元気よく(?)返事を返し、二人で声のした方へ向かっていった。
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