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それに驚いた男達が、俺の周りでどうようしていた。
先ほどまでいた藍沢の姿だけではなく、その気配すら残っていない。
「紅蓮から離れて、今みたいに死にたいの?」
紗雪がそう言うと、男達は我先にと逃げ出して行った。
「紗雪……一体何をしたんだ………」
俺はやっと起き上がると、手を差しのべる紗雪に向かってそう言った。
「ああ……今の?あれはこの太刀に六千万ボルト近い電気エネルギーを圧縮帯電させたのを、そのまま雷の塊として打ち出す技よ。それを喰らえば相手は弾けて霧散するわ…残るとしても血液ぐらいね。」
「なるほど……それで時間を稼げと………ん?アリス!?」
紗雪の手を借りて立ち上がった俺は、一瞬アリスが動いたように見え、驚いてアリスのもとへ走り出しす。
俺は蒿にしたようにアリスの生体情報を読み取る。
俺はそれに驚いた。
アリスはまだ生きていたのだ。
見るからに蒿よりも酷い怪我を負っているにもかかわらず、アリスの心臓は動いている。
「生きてるの…?その怪我で……」
「ああ…生きてる……良かった……………紗雪、救急車を呼んでくれないか……」
「ええ…分かったわ……」
アリスが生きていた…でも、蒿は死んでしまった事に変わりはない。
助ける事が出来なかった…………俺は…これからどうすればいい……?
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